
トランスジェンダーとは、身体の性と心の性とが一致しない状態であり、自身の身体の性を強く嫌い、その反対の性に強く惹かれた心理状態、すなわち性別違和感を持つことをいいます。
トランスジェンダーの子どもにとって、希望しない性別での学校生活を強いられることも多く、つらい経験となりやすいです。
実際に、性同一性障害当事者の約3割が不登校を経験しています。また、約6割が自殺願望(自殺念慮)、約3割が自傷・自殺未遂の経験を持っています。
特に、トランスジェンダー男性にとっては、スカートをはくことに大きな苦痛を感じるため不登校の大きな原因となっています。
このためトランスジェンダーの子どもが希望する制服を選択できるようにすることは不登校や自殺を防止することにつながります。
全国的に性別の縛りをなくした制服や水着の導入が広がっています。
生徒会が中心となり、導入や自由に組み合わせられる制服のデザインを決めている学校もあります。
【実例】
・福井県立勝山高校(勝山市)は2022年度から生徒に性別差のない「ジェンダーレス制服」を導入します。生徒会が中心となり、導入や自由に組み合わせられる制服のデザインを決めました。
・群馬県太田市の太田強戸中学校では、2021年6月から女子生徒のスラックス着用を全校生徒に認めて、周知しました。きっかけは、生徒会が設置した投書箱に「スカートは寒いし、苦手意識があるのでスラックスをはきたい」と寄せられたことでした。
・大分県中津市教委は2023年度から市立中学校の制服にブレザータイプの上着、スラックス、スカート、キュロットの選択が可能なボトム、白色系シャツを導入する方針を決めました。
・兵庫県市川町市川中学校(2022年春統合)の新しい制服が、男女とも紺色のブレザーを採用しました。女子は好みでスカートとスラックスから選べます。
・富山県砺波高校は、2022年度から男女の制服を一新します。新しい制服は、男女ともに県内の高校では初となるライトグレーのブレザーを冬服に採用し、夏服はポロシャツ。生徒会執行部を中心に協議してきました。自主性を尊重し、女子生徒はスカートとスラックスを選べるなどジェンダー問題にも配慮しました。
・制服メーカー「トンボ」は、性の多様性に対応しつつ、全ての生徒様にとって着心地と心地(気持ち)が良いものを提供しています。生徒・保護者や先生方にLGBTQについて知っていただくために、トンボのLGBTQアドバイザーによる講演会を行なっています。
・体育用品を製造・販売する「フットマーク」(東京)は、学校用の「ジェンダーレス水着」を開発しました。水着は男女とも同じデザインで、上下が分かれたセパレーツ型となっています。
長袖の上着はできるだけ露出を軽減し、紫外線対策にも有効です。また、ボトムスはハーフパンツを採用し、体の線が出にくい形になっています。
発表によると、2022年度は3校が導入予定で、来年に向けて10校が検討中。従来の水着と、この男女共用水着を選択する形にする学校が多くみられるとのことです。
制服の選択制は、トランスジェンダーの子どもへの特別な対応ではなく全児童・生徒が対象となるべきです。
「寒いのが嫌」「パンツスタイルが好き」「足を見せたくない」などの理由でスカートをはきたくない子どもも多いと考えられます。
誰かへの特別な配慮ではなく、ユニバーサルデザインの概念で、すべての人にやさしい制服の採用、あるいは多様な組み合わせを認めることが求められています。
目標5、ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る