世界中で、いろいろな格差や不平等が起きています。
人種、宗教、民族、階級、性別、年齢、障害の有無、性的指向、財産の有無などを理由にした差別があり、活躍するチャンスを奪われている人がたくさんいます。
不平等な社会では、不利な立場の人が頑張ってもつらい立場から抜け出せないので、達成感やプライド、希望を持てなくなってしまいます。
しかし、長い目で見たとき、さまざまな個性や立場の人が活躍したほうが、さまざまなアイデアが生まれ、社会は持続可能な発展をとげることができます。
全国の中学生・高校生・大学生は差別をなくすため、さまざまな取り組みを行っています。
【障害者スポーツを通して障害がある地元の人と交流】
長野県上田千曲高校・生活福祉科の学生は、障害者スポーツ「ボッチャ」を体験しました。
上田市在住で視覚や聴覚に障害がある人と一緒にコミュニケーションを取りながら試合を楽しみました。
生徒たちは障害がある人に対する適切な声の掛け方や支援のあり方などについて考えながらボールを投じていました。
【ジェンダー平等の実現のために精力的に活動する大学生】
Youth Gender Studiesは、「ありのまま、自分らしく輝ける社会の実現」を目指し活動する団体です。
大学生のLily Itoさんが代表をつとめ、若者がジェンダー問題をもっと身近に考えられる社会の実現のため、フェミニズムやジェンダーについて積極的に発信しています。
ジェンダー概念が形成される子供たちへ、実社会で課題に直面する学生や社会人の皆さんへ、ジェンダー課題を考え行動するきっかけとなる様々なアクションを行っています。
友人や家族に話してみたりSNSでシェアをしてみたり、そういったことも声を上げる一つの方法です。
【トランスジェンダー学生の受け入れ】
お茶の水女子大学(東京都文京区)は2020年度から、トランスジェンダー学生の受け入れを開始しました。
2018年に受け入れを発表した際には、「日本初」の試みとして、世間でも大きな話題となりました。
大学は、「自身の性自認にもとづき、女子大学で学ぶことを希望する人(戸籍又はパスポート上男性であっても性自認が女性であるトランスジェンダー学生)を受入れる」と説明しています。
トイレについては「当事者の出願前事前相談のときに、大学の施設や設備の状況を説明し、どのようにするかを相談して決める」とされています。
実際の利用に関しては、学生本人や周囲の状況から「女子トイレを使用することが適切であれば」女子トイレを使用することも可能とし、そのほかに学内には「だれでもトイレ」も15箇所、設置されています。
体育館には、個室仕様の更衣室も整備され、人目を気にせず着替えることもできます。
これはトランスジェンダー学生だけではなく、人前で着替えをしたくないなどの事情がある全ての方にとって、意味があることです。
その後、トランスジェンダー学生の受け入れをする大学は広がり、奈良女子大学、宮城学院女子大学、日本女子大学も受け入れを表明しています。
「差別はよくない」とはわかっていても差別はなくなっていません。
学校でも「いじめはいけない」と、みんなわかっているのに、今も昔もいじめは起こっています。
性別や人種の違い、障害者やLGBTの人に対する差別があったら、声を上げてみましょう。
問題・課題から目をそらさず、「自分ごと」として考えて、よりよい社会を目指したいものです。
目標4、すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5、ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標10、国内および国家間の不平等を是正する